目のぶれを生む「サッカド抑制」とは?【科学から見る音ゲー/part1】

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この記事は物量譜面で見えなくなる・目が滑る人向けです。
反射神経という曖昧な言葉ではなく、人体の構造から不調の原因を特定したい人向けです。

高難易度をプレイしていて「目が追いつかない」と感じる瞬間、誰にでもありますよね。

これ、多くの人は「動体視力が落ちた」「疲れ目かな?」で済ませてしまいますが、実はそんな単純な話じゃありません。

単純な疲れではありません。脳が意図的に「映像を遮断」している現象です

ということで今回の記事では、脳科学の視点から「なぜ譜面が見えなくなるのか」を解説していきます。

やってはいけない目の使い方

まず最初に、上級者が無意識に避けている「脳の処理落ちを引き起こす目の使い方」について解説します。

結論から言うと、ノーツを一つ一つ目で追うこと(凝視)です。

人間の目は、視点を高速で移動させている間、情報の入力が遮断される仕様になっています。これを専門用語で「サッカド抑制」と呼びます。

詳しく言うと、目をキョロキョロ動かせば動かすほど、脳内ではコマ落ちが発生して認識できなくなるということです。

「見えているのに認識できない」という現象の正体は、大抵このサッカド抑制による情報の欠落です。

正しい認識は「周辺視野」

ではどうすればいいのか。正解は一点を見つめて、周りの景色として譜面を捉えることです。

いわゆる「周辺視野」を使うというやつですが、これは単なるコツではありません。

網膜の構造上、中心(黄斑部)は解像度が高い代わりに狭く、周辺部分は解像度が低い代わりに「動き」を感知する能力に長けています

なぜこの使い分けが「重要」なのかというと音ゲーは「文字を読む」ゲームではなく「動きを捉える」ゲームだからです。

中心視野で文字を読むようにノーツを見ていては、脳のリソースがすぐにパンクします。

まとめると
・目を動かすと「サッカド抑制」で脳への入力が止まる
・「見る」のではなく、周辺視野で「全体の動きを感じる」ことが、高密度を捌く脳科学的な正解

ちなみに、個人的な体感ですがプレイ前に蒸しタオルで目を温めて毛様体筋(ピント調節筋)を緩めるだけでも、周辺視野の入りやすさが段違いになります。精度を狙う日は必須ルーティンです。

筋肉が凝り固まった状態で周辺視野を使おうとしても、物理的に不可能です。余力やモチベーションがあればケアも行いましょう。


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また、画面の映り込みも脳へのノイズになるためフィルムの変更も効果が出ます。


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最後に

今回の記事では目の機能的な限界について解説しました。

「気合いで見る」というのは脳の構造に逆らう行為なので、フィジカルではなく知識で解決できる部分は賢く解決していきましょう。

📚 参考文献・関連用語
この記事は、以下の視覚心理学・解剖学の知見を基に、当ブログ独自の視点で音ゲーへの応用を考察したものです。

・サッカド抑制(Saccadic suppression)
眼球が高速で移動(サッケード)している間、視覚的感度が著しく低下する生理現象。脳が「ブレた映像」を処理しないように、意図的に入力を遮断することで発生する。

・周辺視野と桿体細胞(Peripheral vision / Rod cells)
網膜の周辺部に多く分布する視細胞(桿体)。解像度や色彩の識別能力は低いが、光の明暗や「物体の動き」を感知する能力(時間分解能)に優れている。

・毛様体筋(Ciliary muscle)
水晶体の厚みを変えてピントを調節する筋肉。近くを凝視し続けるとこの筋肉が緊張(収縮)し続け、眼精疲労や視野狭窄の原因となる。

他にこんな科学的な考察が読みたいという要望があればコメントまでどうぞ!

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